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習慣新書

新書を片っ端から紹介していくブログです。1年間に200~300冊程度紹介するのを目標にしています。

自己啓発本を買うのが恥ずかしい人に 『人間を磨く』 田坂広志 光文社新書 

自己啓発本を買うのは中々勇気がいるものだ。
どこの職場にも仕事のできない「自己啓発本オタク」がいるので、彼らと同類と思われたくない。そもそもインテリが読む本ではない。何か悩んでいるみたいに思われそう等々。手に取れない理由は色々あると思う。
かく言う私も、若い頃は所謂「自己啓発本」は内容が薄い気がして、ほとんど買うことがなかった。明日をも知れぬ世の中で常に自己啓発を心掛けるのは良いことだが、本当に必要なのは資格取得や語学やPC操作などの具体的なスキルアップではないかと思っていた。だが、近年、そういった目に見えるスキル=認知能力よりも、忍耐力やコミュニケーション能力、論理的思考力といった目に見えないスキル=非認知能力の方が、人生を生き抜くのにはるかに重要だという主張が強くなっている。
そして、大人になってから非認知能力を向上させるためには、メタ認知能力=「自分の認知」を認知する力を養うのが不可欠であり、そのために最適なのが巷にあふれる自己啓発本だろう。
 とは言え「自己啓発本」を買うのは少々気が引けるという方にお勧めするのが本書である。自己啓発本には、そもそも著者の経歴が怪しい本も少なくないが、その点内閣官房参与で、ダボス会議のメンバーでもある田坂氏ならば心配ない。その上、新書というのもいい。かさばらないし、値段が安いし(本書は740円+消費税)、カバーをかけてもらえば自己啓発本に見えない。
内容はもちろん説教臭いが、「上司や目上の方に『生意気』と思われるのは、その者が未熟な証拠である」という著者の見解には感嘆した。恥ずかしながら、私は、本書を読むまで「有能な者を『生意気』と感じるのは上司や目上の方が未熟な証拠」と思っていた。その考えは今も変わらないし、それゆえこれからも生意気な若者を出来る限り可愛がろうと思っている。だが、真逆の考え方もあったのだ。あと数年で還暦の私を「生意気」と感じてくださる方も減ってしまったが、それでも「気をつけよう」と思った。